metro_girl_sect

2008.10 - 2013.09

伝統の味、たわしコロッケ弁当


売店のお弁当にヘドロが入っていた。

いや、こう書いてしまうと大変な騒ぎになってしまう。
ブログは炎上、閉鎖、これまでアフェリエイトでこつこつ稼いだいちおくまんえんがパーになってしまう。
ヘドロ状の何かが入っていたのだ。

お弁当を購入する列に並びながら売られているそれを凝視する。
いったいこれは何なのだろうか。
から揚げ、ピーマンの炒め物、春雨、漬物……ヘドロ?
ヘドロが入っているはずが無い。
列に並んでいる人達は特に気にするようでもなくお弁当を買っていく。

まあ、ヘドロが入っていても僕は大丈夫だ。
なぜならお弁当は一種類ではないからだ。別の弁当を買えばいい。
ヘドロ弁当の隣に並んでいる「これはハンバーグ弁当です」と吹き出しが出ているかのごとくわかり易いハンバーグ弁当を買えばいいのだ。幸いまだ一つ残っている。

「じゃあ、ハンバーグ弁当」
僕の前に並んでいる人が最後のハンバーグ弁当を買って行った。
Ohもう駄目だ。僕に残された選択肢は、この何かわからない物が入った弁当しか残されていない。

何故みんな気にせずにこの未知弁当を買っていくのだろうか。
何故みんな気にせずにこの未知弁当をチンするのだろうか。
ヘドロかもしれないのに。

未知弁当を凝視していると、おばちゃんが親切に説明してくれた。

「こちらは鳥のから揚げですよ」

おしい、違うんだおばちゃん。鳥のから揚げは長いようで短いこの30年の人生の中で数えられない程目にしてきている。
僕が気になっているのはから揚げの横に、紙カップに入ってすまし顔を決め込んでいるヘドロ状のおかずなのだ。うわー残念。バンザイなしよ

結局僕はこの未知の弁当を購入する事にした。
戸惑いを悟られないために500円玉だけでなく、90円も一緒に払って100円玉2枚のおつりを貰う事にした。できる男は焦りを悟られずに暗算が可能なのだ。そうなんですか初めて聞きました。

「ありがとうございました」

おばちゃんの声を背中に受けながら売店を立ち去る。
おばちゃんの言葉に(ふふふ...泥でも食ってな!)といった類の含みが無いことを信じて。


結局このヘドロ状のおかずはマーボー茄子だった。
炒めすぎで茄子が溶けてしまったのだろう。
心配して損した。弁当にヘドロが入っているだなんて杞憂だった。

話は変わるが、最近、雑巾がトッピングされた牛丼が売られているらしい。
じゅるり。