metro_girl_sect

2008.10 - 2013.09

赤い光 黄色いタイル オレンジ色の山

目の前を赤い光が左から右へ、右から左へと横切る。
その光はあるといえばある、無いといえば無いというようなもので実に頼りの無いものだが、目の前をちらちらと横切っているそれらを「無い」と言えるはずもなく、「ああ、ある」と言うのだ。
「確かにある」と自分に言い聞かせるように言った。
その呟きが聞こえてしまったのか知らないが、足下のタイルがひとつ置きに黄色く光った。

「そうか。これを踏んでいけば沈まないのだ。」
恐る恐る渡る。

僕の周りを歩いている人々は光るタイルに気付かないのだろうか。
遅いような早いような速度で歩き続けている。
ふと気付くと群衆の中で身動きがとれなくなってしまった。
息が大変苦しい。つまり息苦しい。

2時間程経っただろうか。
突然群衆からはじき出された。
躓きそうになってふと顔を上げると暗い森の中に立っていたのであった。

暗い闇の遥か向うにはオレンジ色に光る山。
点々と光っている。
おーい。
と言うと
はーい。
と返事が返ってきた。

気がした。

*****

電車で寝過ごした。
イヤホンをつけていなくても寝過ごす時は寝過ごすのだ。
気圧が低いと疲れる?